わたしは、20代後半くらいの時、30代になってしまうことをなぜか恐れていました。
30代になることを恐れたというよりかは、“何かを成し遂げたいという想いがあるにもかかわらず、今のままの生き方で”30歳を迎えてしまうことを恐れていたのだと思います。
当時、自己啓発本をたくさん読んで、
何かを成し遂げたい!
と具体的な策もないのにそう思っていました。
ソフトバンクの孫正義さんの本にはかなり影響されました。
毎日満員電車に乗って会社へ着いたらラジオ体操を行う。そして仕事をはじめる。毎日同じ繰り返しだった。景色のことなんてあまり考えたことがなかった。
そのままサラリーマンを続けることもできた。しかし自分とは何なのだろう?何をしたいのだろう?
その答えは考え続けても分からなかった。
わからないからこそ、大きく舵を切ることがいいと思った。
そしてその選択肢は自分で決めれるんだという事。その決断によって自分の生き方、方向性が大きく変わるのだ。
別にサラリーマンがダメだとかそんなことではなく、自分自身のやりたいことへ真剣に向き合うことが大事なことだと誰しもが思っているのではないか。
20代前半の頃の自分は会社って入社したら定年までずっと辞めないものだという古い考え方だったのですが、20代中盤になり、それって本当に正しいのかと思うようになりました。
それは植村直己さんの青春を山に賭けて
という本に出会ったからです。
百ドルだけを手に日本を脱出し、さまざまな苦難のすえ、世界初の五大陸最高峰登頂を達成する。その後アマゾンのイカダ下りや北極圏12000km犬ぞりなどケタはずれな冒険をしてきた日本が誇る偉大な冒険家です。
国民栄誉賞にも選ばれましたのでご存知の方も多いでしょう。
その本を1人で、ワクワクドキドキしながら読み終えました。
こんなすごい事をする人がいるんだ、なんて自由な人なんだろう。自分のやりたいことをとことんやってしまうその飛びぬけた夢を追い続ける行動力に釘づけになりました。
植村直己さんの本を読んでから
人生は一回きりなわけで自分のやりたいように生きたい!
と思うようになったのです。
しかし、なかなか実行に移せず30歳を迎えようとした時、「30歳を超えてしまったら自分を変えるきっかけを失ってしまう」と思い、外国に行きたいからという理由で会社をやめました。
この時も、”何か真っ当な理由がないと会社をやめるなんてとんでもない” というクソ真面目な考え方があったため、やめるのに時間を要しました。
今までの人生で1番勇気のいったことは、はじめて入った会社をやめると上司に報告する時でした。
それから10年以上経ちますが、未だかつてあれ以上の勇気が必要になったことはありません。
かなりな固定概念にむしばまれていたのでしょう。
「大きく舵を切る」を実行しようと思い、会社をやめた翌月から約5ヶ月かけてニュージーランド南島を自転車で1周しました。30歳まであとわずかという時期です。
当時やりたいこととして、外国へ長期旅行に行くことと、外国へ住んでみるという2つがありましたので中国留学もしました。
別に自転車がめっちゃ好きだったという訳ではなく、植村直己さんの本に影響されていたので人力で何か冒険をやりたいという理由からでした。
「大きく舵を切った」ことにより人生は好転しました。
その旅行中に出逢った常識に囚われない素晴らしい人たち、日本とは異なる異文化との出逢い、そして見たこともない素晴らしい景色にも出逢い、会社を辞めたことの後悔は微塵もなくなりました。
会社にずっといたらこの全ての出来事に出会えてなかったのですから。
↑↑こちらはツバルという国へ旅行に行ったときに出逢った子どもたちです
世間の常識というものに囚われず自分の直感を優先させて生きていこうと今では思います。
人にはそれぞれターニングポイントってあると思います。僕の場合は植村直己さんの本だったわけですが、何かビビッときた時に、何か惹かれるなという出来事があった時は自分の勘を信じて突き進むっていうのは大事な気がします。
それは年齢に関係なくです。人生に遅すぎるなんてことはないと思います。
いつもワクワクドキドキしていたい。
そんな生き方をこれからもしていきたいと思っています。
はじめまして、アラフィフ突入のセーナです。