バイクのチェーンは、「エンジンのパワーを後輪に伝える」ための重要な部品です。そのため、定期的なメンテナンスを怠ると、走行性能の低下や思わぬ事故を引き起こす可能性があります。
しかし、メンテナンスというと「難しそう…」と感じる方もいるかもしれません。実際には、初心者でも簡単にできるチェーンメンテナンスの方法があります。
目次
バイクチェーンのメンテナンスの重要性
チェーンのメンテナンスは、バイクの快適な走行や安全性を確保するために欠かせません。以下の理由から定期的なメンテナンスが必要です。
- パフォーマンスの維持:適切に潤滑されたチェーンは、エンジンのパワーをスムーズに後輪に伝えます。メンテナンス不足のチェーンは摩擦が増え、パワーロスが生じます。
- 安全性の確保:チェーンが緩んでいる、錆びている、または切れかけていると、「走行中に突然チェーンが外れる危険」があります。
- 寿命の延長:チェーンやスプロケットの摩耗を防ぐことで、部品の交換サイクルを延ばすことができます。結果として、長期間にわたってバイクを良好な状態で保つことができます。
チェーンメンテナンスの基本知識
メンテナンスに入る前に、まずは基本的な知識を押さえておきましょう。
- チェーンの種類:一般的に、バイクには「Oリングチェーン」「Xリングチェーン」「ノンシールチェーン」の3種類があります。それぞれのチェーンは少し異なる特性を持っていますが、基本的なメンテナンス手順はどれも共通です。
- メンテナンスの頻度:バイクの使用状況や走行環境によって異なりますが、500〜1000kmごと、または雨天走行後にはチェーンの清掃と潤滑を行うことをおすすめします。
必要な道具を準備しよう
チェーンのメンテナンスに必要な道具は以下の通りです。
- チェーンクリーナー:専用のクリーナーを使うことで、汚れや油分を効果的に落とすことができます。
- チェーンブラシ:チェーンの隙間に入り込んだ汚れをしっかりと落とすために、専用ブラシを使うと便利です。
- チェーンルブ(潤滑剤):清掃後にチェーンを保護し、摩擦を減らすための潤滑剤が必要です。
- ウエス(布):汚れを拭き取るための使い捨て布やタオル。
- ゴム手袋:手が汚れるのを防ぐために使用します。
メンテナンスの具体的な手順
それでは、実際のチェーンメンテナンスの手順を見ていきましょう。
- ステップ1:バイクをスタンドに立てる
まず、バイクを安定させるためにセンタースタンドかメンテナンス用のスタンドを使いましょう。バイクが動かない状態で作業することが重要です。センタースタンドがない場合は、リアスタンドを使って後輪を浮かせると作業がしやすくなります。
- ステップ2:チェーンクリーナーで汚れを落とす
チェーン全体にチェーンクリーナーを吹きかけて、数分間浸透させます。これにより、頑固な汚れや古い潤滑剤が浮き上がります。チェーンクリーナーはチェーンに直接かけ、スプロケットやフレームにかけないように注意しましょう。
- ステップ3:ブラシでチェーンをこする
チェーンクリーナーが浸透したら、チェーンブラシを使って汚れをしっかりとこすり落とします。ブラシを使う際は、チェーンの外側、内側、そしてリンクの間をまんべんなく磨いてください。この作業を丁寧に行うことで、チェーンの寿命が延びます。
- ステップ4:汚れを拭き取る
次に、ウエスや布でチェーンクリーナーと一緒に浮き出た汚れを拭き取ります。ここでしっかりと拭き取ることで、潤滑剤がチェーンにしっかりと定着します。また、残ったクリーナーが錆びの原因になるため、余分な液体を完全に拭き取ることが大切です。
- ステップ5:チェーンに潤滑剤を塗布する
チェーンが乾いたら、次にチェーンルブを塗布します。チェーンの内側(タイヤに近い側)にルブを吹きかけると、遠心力によって均等に行き渡ります。チェーンを少しずつ回転させながら、全体にまんべんなく塗布してください。
- ステップ6:余分な潤滑剤を拭き取る
潤滑剤を塗布した後、余分なルブを拭き取ることも忘れずに行います。多すぎると、走行中にタイヤやフレームに飛び散る原因になりますので、チェーン表面に残った部分をウエスで軽く拭き取っておきましょう。
チェーンの張り具合を確認する
メンテナンスを行ったら、チェーンの張り具合も確認しましょう。「チェーンが緩すぎると走行中に外れる危険」があり、逆に張りすぎるとパーツの寿命を縮める原因になります。チェーンの張りは、バイクごとに適正範囲が設定されているため、取扱説明書に従って確認します。
チェーンメンテナンスの注意点
- 高圧洗浄機は避ける:高圧の水でチェーンを洗浄すると、シール部分に水が入り込み、錆や劣化を引き起こす可能性があります。
- 安全対策を忘れずに:作業中は手袋を着用し、チェーンに指が巻き込まれないように十分に注意してください。エンジンがかかっている状態でのチェーン清掃は非常に危険ですので、必ずエンジンを切った状態で行いましょう。
メンテナンス後の走行チェック
メンテナンスが完了したら、「短距離のテスト走行」を行い、チェーンの状態を確認しましょう。走行中に異音や不自然な動きがあれば、再度チェーンを確認する必要があります。
初心者でもできる!バイクチェーンのメンテナンス方法まとめ
バイクチェーンのメンテナンスは、初心者でも簡単に行うことができ、バイクの性能や安全性を向上させるために非常に重要です。
定期的なメンテナンスを心がけることで、愛車の寿命を延ばし、快適なライディングを楽しむことができるでしょう。最初は不慣れかもしれませんが、今回紹介したステップに従えば、徐々に慣れてくるはずです。